細川紙 とは
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「手漉き和紙」
日本人なら誰でもご存知だと思います。
でも、実際に買ったことのある方、使ったことのある方は
どれくらいいらっしゃるでしょうか?
書家や墨絵師、伝統工芸に携わっている方なら 身近にあると思いますが
残念なことに、一般の方の生活の中には 神事やお祭り、季節の行事やお祝い事などの
特別な日以外は使われてないものです。
今日は
手漉き和紙、その中でも私が商品に使用している「細川紙」について書きたいと思います。
もくじ
- 細川紙とは
- 世界中で一番丈夫な和紙
- 手漉き和紙の歴史
- 細川紙の製作工程
- なぜ 私が細川紙を使うのか
■ 細川紙とは
埼玉県の小川町と東秩父村で
1300年にもわたって伝承されている手漉き和紙です。
1978年 国の重要無形文化財に指定され
2014年 島根県浜田市の「石州半紙」岐阜県美濃市の「本美濃紙」とともに
ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
細川紙の要件は
①楮だけで作られている
②伝統的な製法と製紙用具を使用して 流し漉きですく
③細川紙の風合いなどが保たれていること
① ② ③がすべて守られ、②の伝統的な製法として漂白剤などの化学的な処理をしないものです。
■ 世界中で一番丈夫な和紙
和紙が世界中で愛される理由はその丈夫さ。
一般の紙が100年程度で劣化するのに対し、最高級の和紙は1000年以上ももつとされています。
そのため、世界でも美術館・博物館などの資料の保存・修復に和紙が使われるようになりました。
細川紙は、その丈夫さから太平洋戦争時には「風船爆弾」の風船部分の素材として使われました。
■ 手漉き和紙の歴史
紙は中国で発明され 610年日本へ伝わり
江戸時代に人気を博し、町人文化の中で発展しました。
明治時代になると、西洋からの技術が導入されて洋紙の生産が盛んになりました。
高度成長期には、生活の中で洋紙の勢力が増し、和紙は伝統を守り継ごうと
重要文化財・文化財保存技術の指定を行うようになりました。
■ 細川紙の製作工程
① 皮剥ぎ
楮の皮を剥ぐ
② 叩解(こうかい)
繊維を煮沸してやわらかくし水にさらし、繊維に残った削り残しを手作業で取り除く
③ 紙漉き(かみすき)
トロロアオイという植物の粘液を混ぜて、竹簀のよる流し漉きをする
④ 乾燥
竹簀から外して板干しか鉄板で乾かす
■ なぜ 私が細川紙を使うのか
手にとって貰えばわかる事ですが、これが手漉きなのかというほど薄くて艶があり、漂白してない自然な色で少々、黄色い印象がありますが、使い込むあいだに太陽光によって白くなっていきます。
職人さん達が守り続けてきた大変手間のかかる伝統製法の工程を経てしかできない、こんなに素晴らしい和紙が私が住む埼玉県で生産されている。
後継者問題、原材料不足などの懸念もあり、無くしてはいけない! 残すべき日本の財産だ!
後世へ繋ぐには 使う事だ!
そう思ったからです。
これまで、伝統の製法を守り続けてくだっさった事に、感謝します。
皆様も 細川紙と巡り合うことがありましたら
是非、手にとって見てください。


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